使い方アドバイス

使い方アドバイス
ここに掲載されている使い方は一般的なものです。 処方されたお薬でお困りのことがあれば薬剤師にご相談ください。

●粉薬の飲ませ方●
基本として、お薬はコップ一杯の水、もしくはぬるま湯で飲ませましょう。 しかし、お薬嫌いの子供は、飲んでくれない場合も・・・。 病気を治すためのお薬も、飲んでくれないと効果を発揮できません。 そんな時に上手に飲ませるコツをいくつかご紹介いたします。

– 練り団子法 –
小皿に粉薬をあけ、数滴の水を加えて、ペースト状に練ります。
手をきれいに洗って、練った薬を指先につけ、お子様の口の中(上あごや頬の内)に塗りつけて、そのまま授乳もしくはお水などを飲ませてあげます。

– スポイドを使う方法 –
①小さな容器の中に粉薬をあけ、少しずつ水を加えて、シロップ状(液体)にします。
②溶かした薬をスポイトまたは哺乳瓶の乳首を使ってのませてください。
スポイドはなるべく奥まで入れてください(手前だと舌で出します)
③薬をのんだ後、口の中に薬が残らないように、飲み物をのませてください。
*哺乳瓶の乳首を使う場合、穴が狭く、薬が十分に出ないことがあります。薬用の乳首(穴を少し大きく開けたもの)を用意すると良いでしょう。

– 水に溶く –
①粉薬に水を少量(10~20ml位)加えて、溶かしてのんでください。
②薬をのんだ後、口の中に薬が残らないように、水を飲ませてください。

– 他の食べ物に混ぜる –
①粉薬に好みの食べ物を少量(スプーン1~2杯位)加えて食べさせます。
②薬をのんだ後、口の中に薬が残らないように、水を飲ませてください。
*ジュース、スポーツドリンク、ゼリー、ヨーグルト、ジャム等々は逆に苦くなる薬もあるので
 混ぜても良いか確認しましょう。
*量が多くて飲みにくい時は2回に分けて10分ぐらいあけて飲んでも可
*砂糖をたして甘くしても大丈夫です
*下痢の時は乳製品、オレンジジュース、砂糖などはあまり混ぜないように。
*食後は飲みにくいので、食前に飲ませてもよいです。

《 オブラートで包む 》
①オブラートを4つ折りにして、袋の部分に粉薬をいれ、ねじって薬を閉じ込めます。
②茶碗に水を入れて用意し、薬を包んだオブラートを水につけ、のんでください。水にぬらすことで、オブラートが口に貼りつかずにのむことができます(スプーンを使っても可)。
*水につけたあとは破れやすいためすぐにのんでください。
*水がついた手でオブラートを触ると、破れてしまいますので気をつけてください



●目薬の差し方●
① まず手をよく洗います。
② 下まぶたを軽く引いて、目薬を目の中に確実に入れます。上のまぶたは動かさなくても大丈夫です。
③ 点眼後は、目薬が涙点からから流れていかないように、しばらくまぶたを閉じます。流れ出ていってしまうと薬の効果が減弱してしまいます。
④ 目の周りにあふれ出た目薬は清潔なガーゼやティッシュで拭き取ります。

上手にさせないときは、利き手で容器を持ち、反対側の手でげんこつを作って、げんこつを台にしてさす方法もあります。お試しください。

《 2種類以上の目薬をさす場合 》
・5分以上間隔をあけて点眼してください。
間隔をあけないと、先にさした目薬が後にさす目薬によって流されて薬の効果が発揮できなくなってしまいます。

目薬をさすときに注意すること!
☆容器の先をまぶた・まつ毛または目につけない 
また、容器の先を目に近づけすぎると、容器に涙や細菌、花粉、目やになどが付着し、目薬の汚染につながります。
更に、容器の中に涙や細菌、花粉、目やになどが逆流してしまい、目薬の汚染につながります。

☆目薬をさした後、眼をパチパチしない 
目薬をさしたあと、目をパチパチさせると目薬が目の表面全体にいきわたるように思いがちですが、そうではありません。
せっかくさした目薬が涙と一緒に目頭の方に集まって、涙点(るいてん)からのどの方へ流れ出てしまいます。
目薬をさしたあとは目をパチパチしないようにしましょう。

お子さんに目薬をさすとき
①目薬の差し方 ~ 通常編 ~ 
子供を仰向きに寝かせ、 両足の太ももで頭を挟むようにして目薬をする。もしくは、座った状態で上をむいて目薬を差す。
どちらの差し方も下まぶたを指で下げて目薬を入れて差した後は、目を1分ほど閉じて目薬が浸透するのを待ちます。

◆目薬を嫌がる子供への差し方◆
①目薬の差し方 ~ 目をつぶって編 ~
目を閉じた状態で、目がしらに点眼します。そのあと、目をパチパチする。下まぶたをひっぱってあげてもよいです。

②目薬の差し方 ~ 睡眠中 ~
まったく目薬を差せない子供にオススメの最終手段です。寝ている間に目がしらに点眼。したまぶたを引っ張ると、全体に目薬が広がります。

◆子供に目薬を差す時の注意点◆
・泣いてしまうと、涙で目薬が流されてしまうので、泣いている最中は点眼を避ける。
・点眼時に容器の先や爪が目に当たらないようにする。



●軟膏の塗り方●
①まずは、手を良く洗いましょう。
② 塗布する箇所の汚れを取った後、「ちょんちょん」と何カ所かに分けて薬をのせます。(塗った箇所に汚れがあると効果が落ちます。)
③ 指の腹を滑らせるようにして、お薬を塗り広げます。

《 塗るときのコツ 》
・ 薄くのばすように塗りましょう。
ゴシゴシ強くすりこむと、皮膚を傷つけバリア機能を低下させることになります。やさしく塗り広げましょう。
・ 手のひらや足の裏などの皮膚が厚い部位では、入浴直後の皮膚が柔らかくなっている時に塗ると薬の吸収が良くなり、効果的です。

《 塗る量の目安 》
約0.5gで手のひら2つ分くらいの広さを塗ることができます。
軟膏・クリームのチューブの場合
→ 大人の人差し指の一番先から1つ目の関節の線に乗る量が約0.5gです。
ローションの場合
→ 1円玉大の量が約0.5gです。

注意
同じ湿疹用でも、ごく弱いものから強いものまで様々です。
また、塗る場所(顔、手足など)によって使い分けをしなければいけません。前にもらった軟膏でも、症状や場所が違えば使えないこともあります。
まずは、医師に相談しましょう。



●坐薬の使い方●
《 挿入方法 》
・坐薬の後部をチリ紙やガーゼなどで摘み、先の太い尖端から肛門内や膣に出来るだけ深く挿入して下さい。
・ 挿入は中腰か横向きに寝た姿勢で入れると挿入しやすく、3/4程挿入した後、立ち上がると比較的簡単に挿入できます。
・肛門内に挿入した後、排出を防ぐため、4~5秒間押さえてください。

子供の場合
・あお向けにして膝をまげるように両足を上に持ち上げ、足を押さえましょう。
・坐薬のとがった方を肛門にあててからゆっくりと挿入しましょう。
・大人の人差し指の第一関節が入るくらいまで直腸に押し込むと、ストンと吸い込まれるような感じになります。
・坐薬を入れてから、1〜2分間はティッシュで押さえて、坐薬が出てこないことを確認しましょう。
※便と一緒に出てしまうことがあるため、できるだけ排便後に挿入するようにしましょう。

冷たさや刺激がある時
体温で暖めると挿入しやすくなります。
軟化しすぎて挿入しにくい時
いったん冷蔵庫か水(20度以下の水)に浸して固化してから挿入します。
滑りにくい時
坐薬を水又はグリセリンなどでぬらしてから挿入します。但し、水ではまずい場合があるので注意して下さい。

《 挿入後の注意 》
・挿入後20~30分間は歩行や激しい運動を避けて安静にしてください。
・挿入後、異物感がありますが、10~30分後に完全に軟化溶解します。又挿入後水様の排泄物が出る場合がありますが、心配しないで下さい。
・肛門の近くには知覚神経があるので、坐薬は知覚神経がないところまで挿入しないと、便がつかえているような感じがして息んでしまい、薬を出してしまうことがあります。できるだけ排便をすませてから、奥まで挿入しましょう。

~ 坐薬挿入後、すぐに薬が出てきてしまった場合 ~
・入れてすぐ、まだ坐薬が指で持てる状態のときはそのまま入れ直してください。
・入れてから10分以上経過して排便などにより出てきてしまった場合、すでに吸収された分がかなりあります。新しく追加はせずに1時間くらい様子を見ましょう。



●薬と食品の飲み合わせ●
飲み合わせとは
飲食物、嗜好品又はサプリメントなどの食品が体の中で薬と出会うと、お薬の作用が強く出てしまったり、逆に弱まったりすることがあります。 これを薬と食品の『飲み合わせ』といいます。ここでは注意したい飲み合わせの代表的なものを紹介していきます。

飲み合わせの例
☆ グレープフルーツジュース+カルシウム拮抗薬 ☆
薬によってはグレープフルーツジュースまたはグレープフルーツ果実と摂取した場合、薬の血液中の濃度が高くなることが知られています。 グレープフルーツに含まれる成分が薬の作用を増強する可能性があるからです。
グレープフルーツの影響は薬によっては数日持続するものもあります。

以下にグレープフルーツと飲み合わせが悪い薬の例を示します
降圧薬(カルシウム拮抗薬):アムロジピン(アムロジン®)、ニフェジピン(アダラート®)、ベニジピン(コニール®)、アゼルニジピン(カルブロック®)、ベラパミル(ワソラン®)など
脂質異常症改善薬:シンバスタチン(リポバス®)、アトルバスタチン(リピトール®)など
睡眠導入剤:トリアゾラム(ハルシオン®)
免疫抑制剤:シクロスポリン(サンディミュン®、ネオーラル®)

☆ ビタミンK含有食品+ワーファリン® ☆

納豆や緑黄色野菜に含まれているビタミンKは、血液凝固防止薬ワーファリン®の働きを弱めてしまいます。 これは、ワーファリン®が血液凝固作用のあるビタミンKの働きを邪魔することで効果を示すためです。ただし、ビタミンKを含むからといって緑黄色野菜を禁止にするのは栄養上の観点からも問題があります。
ビタミンKの摂取目安は、1日150㎍/日程度です。
緑黄色野菜や海藻類は食べすぎに注意してバランスよく食べましょう。

・納豆はビタミンKを大量に含むとともに、納豆菌が腸管内でビタミンKを産生することが知られています。
・青汁 1袋(3g) ビタミンK含有量 12.3~99㎍ 。1日3袋飲むと、最大297㎍ のビタミンKを摂取することに なります。
・クロレラ(100g) ビタミンK含有量 約3600㎍。 一日分量(約3~8g)を 飲むと、 約46~288㎍のビタミ ンKを摂取することになります。
ビタミンK含有量が多い納豆、クロレラ、青汁は食べないようにしましょう。

☆ 牛乳、ミネラルウォーター+ビスホスホネート製剤 ☆
牛乳やミネラルウォーターに含まれるカルシウムとお薬がキレートという構造を形成して、お薬の吸収が低下するためです。
2~3時間、間隔をあけて服用すれば問題はありません。

以下に牛乳、ミネラルウォーターと飲み合わせが悪い薬の例を示します
ビスホスホネート製剤:アレンドロン酸(ボナロン®)、リセドロン酸(アクトネル®)など
テトラサイクリン系抗菌薬:ミノサイクリン(ミノマイシン®)、ドキシサイクリン(ビブラマイシン®)など
ニューキノロン系抗菌薬:レボフロキサシン(クラビット®)、トスフロキサシン(オゼックス®)、ガレノキサシン(ジェニナック®)、シタフロキサシン(グレースビット®)など

☆ アルコール+睡眠薬 ☆
アルコールは脳や脊髄である中枢神経を抑制する働きがあるため、睡眠薬などの中枢神経系薬の効き目を増強し、記憶障害などの副作用を起こす可能性があります。
睡眠薬をアルコールと一緒に飲む、アルコールを飲んだ後にお薬をのむことは、危険ですので絶対に避けてください。



●お薬を飲み忘れたときの対処法●
糖尿病の薬のように食事の影響を受けやすい薬の場合、
自己判断で不安なときは、必ず医師・薬剤師の指示を受けてください。

糖尿病やてんかんの薬など、飲み方を間違えると危険なものもあるので、事前に飲み忘れたときの対処法を、医師・薬剤師に聞いておくと良いでしょう。

一般的な対処法は、つぎの通りです。

飲み忘れに気付いた時間が、本来の時間からあまりたっていなければ、気付いた時点で飲んでください。
その次に飲むまでの間隔が短くなるので、次は少し遅めに飲むようにすると安全です。
間隔をあける目安として

1日1回飲む薬:8時間以上
1日2回飲む薬:5~6時間以上
1日3回飲む薬:4時間程度

逆に飲み忘れに気付いた時間が、次に飲む時間に近いときは、忘れた分は飲まないでください。また、次回に飲むときに決して2回分を一緒に飲まないようにしてください。 

ライフスタイルによっては 1 日 3 回の薬は飲み忘れがちになってしまうこともあると思います。
今、飲んでいる薬と同じような効果で、飲む回数が今より少ない薬に変更できることもあります。
生活スタイルに合った薬を選択することで、きちんと服用することができ、治療効果があがることもあります。
お薬を飲み忘れることが多いという方は医師または薬剤師にご相談ください



● 下痢時の食事(大人編)●
下痢をしているときは、水分をとると下痢がひどくなりそうで怖いかもしれませんが、下痢のときこそ水分補給が必要です。1日に2リットルくらいまでの量を、1回に一口か二口くらいの少量ずつ、こまめに飲むのがコツです。
食事も1回に食べる量を少なくしましょう。
水のような便のときには水分を中心に、泥のような便の時にはドロドロした食べ物を中心に、便が柔らかくなってきたらやわらかい・消化のよい食べ物を中心に摂取しましょう。

・下痢の激しいとき(水様便)→ 水分を中心に。
イオン飲料(冷たくないもの)
おもゆ
くず湯
野菜スープ
みそ汁のうわずみ

・下痢が回復したとき
おかゆ
おじや
煮込みうどん
軟らかく煮た野菜
豆腐
バナナ

控えたい食品
繊維が多くてかたいもの…ごぼう、れんこん など
高脂肪食品や料理…揚げ物、うなぎのかば焼き など
腸内で発酵しやすいもの…豆類、キャベツ、さつま芋、栗 など
刺激物…香辛料、アルコール、炭酸飲料、カフェイン飲料 など



● 下痢時の食事(乳児から幼児編)●
赤ちゃんが下痢でも、離乳食や母乳を止める必要はありません。
母乳やミルク、お茶、赤ちゃん用のスポーツドリンクなどでこまめな水分補給を心がけて、脱水症状にだけはならないように気をつけてあげましょう。ただし、食欲がないようなら無理に食べさせる必要はありません。
ぐったりするときや、尿の量が少ないときは、点滴が必要になることもありますので、早めに受診して下さい。

《 母乳の赤ちゃん 》
母乳はやめないで続けて飲ませましょう。 授乳の時間を短くし、回数を増やします。

《 ミルクの赤ちゃん 》
・下痢が激しいとき→ ミルクを通常より少し薄め(2/3程度)にしてあげてください。ミルクを少量ずつ、回数を多く。ラクトレスR、ノンラクトRなどの下痢用のミルクを使うのも良いです。
・下痢がよくなってきたら→ ゆっくり元の量に戻します。

《 離乳食の赤ちゃん 》
下痢のときに与える離乳食は、「便と同じ硬さの食事」が目安です(大人と同じ)。
赤ちゃんの便を見ながら、食事のメニューを変更しましょう。

・下痢の激しいとき(水様便)→ 水分を中心に。

乳児用イオン飲料(冷たくないもの)
湯ざまし
番茶、
野菜スープ
みそ汁のうわずみ
おもゆ
りんごのすりおろし

・ドロドロ便のとき(泥状便)のとき
パンがゆ
とうふ
ベビーせんべい
ウエハース
りんごのすりおろし
バナナの裏ごし
にんじんやかぼちゃ(皮は除く)の煮つぶし

・やわらかい便のとき
下痢が続く時はひとつ前の段階の離乳食にもどします。
下記の食べ物は避けましょう

《 下痢のときに避けたほうが良い食べ物 》
○冷たいもの:ジュース、アイスクリーム、牛乳など
○脂肪の多いもの:ポテトチップス、揚げ物、バターなど
○甘さの多いもの:ケーキ、カステラ、プリンなど