お薬の種類・血中濃度・副作用

お薬の種類・血中濃度・副作用

薬の種類
薬の形のことを「剤形」といいます。
同じ成分でも、用途に応じてさまざまな剤形があります。
年齢や症状に応じて剤形を変えて、薬の効き目が充分に発揮できるようにします。
代表的な剤型について説明します。

☆錠剤☆錠剤
持ち運びしやすく比較的長期保管できます。
一般的に用いられる、服用しやすい剤形です。
苦い味を隠すようコーディングされていたり、溶け方が段階的になるようになっていたりと、工夫がされたものもあります。
以下に主な種類を記載します。
[腸溶錠]
胃で溶けず、腸で解けるように設計された薬です。薬が胃酸に弱い場合に使用されます。
[徐放錠]
少しずつ溶けていくことで、長時間薬の効果が持続するように設計されています。
このようなお薬を半分に割ったり、砕いたりするときちんと薬効が得られないもしくは、副作用が出現する可能性があります。
[口腔内崩壊錠(OD錠)]
水なしで服用できる錠剤です。唾液によって、錠剤が崩壊します。
[舌下錠]
舌の下にいれ、唾液によって溶かす薬です。急速に吸収され、初回通過効果*を受けません。

☆粉薬☆粉薬
簡単に量が調整できるので、体重や年齢に合わせた処方が可能です。
2種類以上の散剤を混ぜ合わせ調剤することもできます。
[顆粒剤]
粒が大きくコーディングがされていて苦さを抑え、飲み込みやすいよう工夫されたものです。
[ドライシロップ]
甘みをつけた粉薬で、そのままでも水に溶かしてでも飲むことができ、お子さま向けによく利用されます。

☆ 液剤・シロップ剤☆シロップ
味・香料などの添加により服用しやすくなっています。
飲む前には軽く振ってから、計量カップやスポイトなどで計って指示された量を服用しましょう。
薬の容器に直接口をつけたり、残った分を容器に戻したりしないようにしましょう。

☆カプセル☆カプセル
カプセル剤には硬カプセルと軟カプセルの二種類があります。
カプセル剤は味や臭いを隠すことができます。徐放性のカプセル剤も存在します。

☆ 貼付剤☆貼付剤
薬剤を含んだテープで患部を密封することにより、薬の吸収が上がって効果が高まります。
また、皮膚を保護する作用もあり、亀裂がある患部などにも使われます。
貼りかえるときは少しずらして貼りかえましょう。
赤くなったり、かゆくなったりしてかぶれた場合は、中止して下さい。

☆軟膏・クリーム・ローション☆軟膏
皮膚の炎症、ただれなどに用いる、ぬり薬です。
[軟膏]
乾燥した患部にもジュクジュクした患部にも使用できます。クリームよりも水で流されにくいです。
[クリーム]
のびがよく使用しやすいです。水で洗い流しやすいです。
[ローション]
皮膚や頭皮などに用いられる液状の外用剤です。

☆坐剤☆座薬
肛門又は膣に適用する固形の外用剤です。
全身作用を目的とする時
薬物が直腸下部(おしりに近い方)から吸収されると初回通過効果*の回避が可能です。
さらに、胃障害のおそれが少ないという長所があります。

☆吸入剤☆
薬を霧状もしくは粉状に噴出させ、口から吸い込み気管支や肺に作用させる薬です。
内服した場合よりも少量で早く効き目を現し、副作用が少ないのが特徴です。

☆点眼薬☆点眼薬
直接目に用いて、目の病気の治療や、症状の改善を行うものです。


*初回通過効果とは
摂取された薬剤は、消化管などから吸収され門脈に入ると、全身を循環する前に肝臓を通過します。このとき、肝臓に多く発現している代謝酵素によって、摂取した薬剤が代謝されることを初回通過効果といいます。


薬の血中濃度
血中濃度とは、血液の中に薬の有効成分がどの程度含まれているかを表しています。血中濃度がある一定量に達して初めて薬の効きめが表れます。達していないと効き目が出ません。反対に、血中濃度が上がりすぎると、副作用を生じることがあります。
血中濃度


薬の副作用
薬を飲んでいると副作用が出ることがあります。副作用とは、薬を飲んだときに出る、薬の効果(主作用)以外の症状のことを言います。よく知られる副作用には、かぜ薬を飲むと眠くなる、というものがあります。眠気が起こるのは、かぜ薬の中に中枢神経に働きかけて眠気を引き起こす成分が含まれているからです。その副作用はかぜ薬を飲んだ人すべてに出るわけではありませんが、服用したときには車の運転などは避けたほうがよいでしょう。このほかにも、薬によってさまざまな副作用があります。もし副作用が出た場合などは、医師か薬剤師に相談してください。

副作用の例
副作用の例